本文の条項番号は、WPA Rules of Play(2025年6月27日施行版)のものです。WPAは2025年9月15日施行版も公開しています。大会では、採用している版と条項番号を確認してください。
テンボールのルールとは?10ボールの基本を結論から
使う球とラックの組み方
勝ち方は「10番を最後に合法的に落とす」
10ボールのルールで覚える5つの基本
- 一番小さい番号の球に、手球を最初に当てる
- 当てた後、どれかの球がポケットに入るか、クッション(台の縁のゴム)に届く
- 狙う球とポケットをコールする(はっきりしているときは省略できる場合もある)
- ファウルをしたら、相手がボールインハンド(手球を台のどこに置いてもよい状態)になる
- 3回連続でファウルすると、そのラックを失う(9.11)
仕組みをもう少し詳しく:1打ごとの判定の流れ

合法なブレイクの条件
テンボールのコールショットはどこまで言う?
「はっきりしているショットはコール不要」の運用は、大会やお店で違うことがあります。迷ったら毎回、指差しで伝えると揉めにくいです。
「この1打の結果どうなる?」判定チャート
- ブレイクショットか?
- はい → 的球が1個も入らず、クッションに届いた的球が4個未満ならファウル。条件を満たせば合法(9.3)
- いいえ → 2へ
- 一番小さい番号の球に、最初に当たったか?
- いいえ → ファウル(相手がボールインハンド)
- はい → 3へ
- 当たった後、球が入るか、どれかの球がクッションに届いたか?
- いいえ → ファウル(相手がボールインハンド)
- はい → 4へ
- コールした球が、指定したポケットに入ったか?
- はい → 続けて打てる。一緒に入った10番以外の球は入ったまま。10番は戻す。コールした10番が最後の1球なら勝ち
- いいえで、ほかの球が入った → 次に誰が打つかを相手が選ぶ(9.5・9.7)
- 何も入らない → 相手と交代
- 最後に確認:ファウルなら、それが3回連続になっていないか(9.11)
コール外で球が入ったときの処理
古い解説では「コールミスの球は戻す」「必ず交代」と書かれていることがあります。現行のWPAとは扱いが違うので、採用ルールを確認してください。
なぜ今テンボールのルールを確認し直す?改定の背景
WPAは2025年版でセーフティコールをなくした
NBAも2026年6月10日に廃止
NBAルールブック(2025年9月改訂版)では、テンボールのコール方法として「球とポケットを指定する」か「セーフティとコールする」の2通りが定められていた。
廃止はテンボールの章だけ
- 共通規定の第5章第11条(ポケットインする意志がない場合に「セーフティ」とコールする規定)
- ローテーションの第11章第5条(第5章第11条に基づくコールショットを採用する場合がある)
- エイトボールの第12章第5条第2項(セーフティショットの場合、プレー権は相手に移る)
NBA2026年版で、テンボールのセーフティショット中に的球が入った場合の扱いは、旧オプション(c)が削除されたことまでしか本記事では確認できていません。代わりの処理は、主催者やレフリーに確認してください。2026年版をいつから採用するかは、団体ごとの判断です(NBAのお知らせ)。
テンボールの種類・分類:公式ルールとハウスルール
ルールの系統と使われる場面
| 系統 | 主な使われ方 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| WPAルール | 国際大会。国内のプロ大会でも採用例あり | 施行版(2025年6月版・2025年9月版) |
| NBAルール | 国内の公式アマチュア大会など | 2025年9月版か、2026年改訂版か |
| JPBA関連のプロ大会 | 例:プレミア10ボールリーグはWPAルールで実施 | 大会要項の独自規定 |
| ハウスルール・ローカルルール | お店のハウストーナメント、仲間内の試合 | コールの省略、3ファウル、ブレイク方式 |
試合前に確認したい6項目
- ☐ 採用ルールと版(WPA/NBA2025年9月版/NBA2026年改訂版/ハウスルール)
- ☐ コールのしかた(口頭か指差しか、はっきりしたショットは省略してよいか)
- ☐ 3ファウルを使うか、途中で警告をするか
- ☐ タイムルール(1ショットの持ち時間、延長の有無)
- ☐ ブレイク方式(勝者ブレイクか、交互ブレイクか)
- ☐ ラックは誰が組むか(自分、相手、レフリー)
テンボールのメリット:練習すると何が伸びる?
狙いをはっきりさせる習慣がつく
取り切る力が試される
「打つか打たせるか」の判断力が育つ
デメリット・注意点:ナインボール感覚の勘違いに注意
よくある勘違いと現行ルール
| よくある勘違い | 現行ルール(WPA2025) |
|---|---|
| セーフティとコールすれば、何が入っても交代 | セーフティコールはない。コール外で入れば、相手が次に誰が打つかを選ぶ(9.5・9.7) |
| ブレイクで10番が入れば勝ち | 10番は戻す。勝ちにはならない(9.9) |
| 途中で10番をコンビで入れれば勝ち | 最後の1球でなければ戻す(9.9) |
| どの球でも入れば続けて打てる | コールした球が指定のポケットに入ったときだけ続けられる |
| プッシュアウトはいつでも使える | ファウルのないブレイクの直後の1打だけ(9.4) |
| コール外で入った球は戻す | 戻さない。戻すのは10番だけ(9.9) |
難しさからくるデメリット
3回連続ファウルでラックを失う規定(9.11)は、大会によって警告のしかたや適用の有無が違います。「知らなかった」で負けないよう、試合前に確認しておきましょう。
具体例・ケースで理解する:プッシュアウトと「打つか打たせるか」
テンボールのプッシュアウトの条件
- ブレイクでファウルがなかったときだけ使える
- ブレイク直後のショットで、打つ前に宣言する
- 1ラックにつき1回
- 「最初に一番小さい球に当てる」制限と、「当てた後のクッション要件」が外れる
- ファウルでなければ、次に誰が打つかを相手が選ぶ
プッシュアウトで手球をどこに置くか
- 簡単に入る位置:相手が「自分で打つ」を選び、そのまま取り切られやすい
- 完全に隠れた位置:相手が「あなたが打って」と返してきて、自分が困る
これは一般的な考え方で、正解は配置と腕前で変わります。自分の得意なショットを基準にすると選びやすいです。
選ばされたときの判断チェックリスト
- 一番小さい番号の球が見えているか(ダイレクトで当てられるか)
- その球を入れる確率が5割以上ありそうか
- 入れた後、次の球へのポジションが取れそうか
- 入れにくい場合でも、セーフティ(守りの1打)で返せそうか
- 戻された10番で、フットスポットのまわりが塞がっていないか
配置例で考える3つのケース
| ケース | 状況 | ①〜⑤ | 判断 |
|---|---|---|---|
| 1 | プッシュアウト後。1番は見えるが、遠くて薄いカット。2番は1番の近く | ○×○○○(○4) | 自分で打つ。入らなくても守りに切り替えやすい |
| 2 | コール外で3番が入った。4番が9番と10番の陰になり、ダイレクトで当たらない | ×××××○…①×②×③×④×⑤○(○1) | 打たせる。相手に難しい形を渡す |
| 3 | ブレイク後に10番が戻され、フットスポットの近くで2番と10番がくっついている。1番は入れやすい | ○○×○×(○3) | 自分で打つ。ただし入れる自信が弱ければ打たせる側に寄せる |
始め方・使い方:初心者がテンボールを始める手順
対戦を始めるまでの5ステップ
- ルールを決める:WPAかNBAか、どの版か、ハウスルールはあるかを相手と確認する
- ラックを組む:1番を頂点にしてフットスポットへ、10番は3列目の真ん中。隙間なく詰める
- ブレイクする:手球はヘッドストリングより手前に置く。球が入らなければ、4個以上がクッションに届いたか見る
- コールして打つ:一番小さい球を確認し、狙うポケットを指差しか口頭で伝える
- 判定に迷ったら止める:打つ前に相手かレフリーに確認する。打った後の言い争いを防げる
1人でできる練習メニュー
- コール取り切り:10個を台に散らし、1番から順にコールしながら入れる。どこで止まったかを記録する
- ブレイクの確認:ブレイクのたびに、入った球の数とクッションに届いた球の数を数える
- プッシュアウトの配置練習:1番を置き、手球をいろいろな位置に置いて「自分なら打つか、打たせるか」をチェックリストで判断する
気持ちよく打つためのマナー
- コールは、相手に見える・聞こえる形で伝える
- 相手が「打つか打たせるか」を選ぶ間は、急かさない
- 相手が打つときは、視界に入らない場所で静かに待つ
- ラックは丁寧に組み、相手のラックにも文句を言う前に「組み直してもらえますか」とお願いする
テンボールとナインボールの違いは?似た用語との違い
ナインボールとテンボール(新旧)の比較表
| 項目 | ナインボール(WPA) | テンボール 旧NBA(2025年9月版) | テンボール 現行(WPA2025・NBA2026) |
|---|---|---|---|
| ラック形状 | ひし形。1番が頂点、9番が中央 | 三角形※ | 三角形。1番が頂点、10番は3列目中央(WPA第9章) |
| 勝利条件 | 9番を合法的に落とす | 最後に10番を合法的に落とす※ | 10番だけが残った状態で合法的に落とす(WPA第9章) |
| ブレイクで勝ち球が入ったとき | 勝ちになるのが一般的(大会により戻す場合あり) | ※ | 10番を戻して続行(WPA9.9) |
| ブレイク要件 | 入らなければ4個以上をクッションへ | ※ | 入らなければ4個以上をクッションへ(WPA9.3) |
| コールショット | なし | あり(第10章第6条) | あり(WPA1.6、NBA第10章第6条) |
| セーフティコール | なし | あり(球とポケットの指定か、セーフティ) | 廃止(WPA旧9.6削除、NBA2026年改定) |
| コール外で球が入ったとき | 入った球は有効で続行 | セーフティコール時はオプション(c)で処理 | WPA:相手が次に誰が打つかを選ぶ(9.5・9.7)。NBA:大会で確認 |
| プッシュアウト | ブレイク直後に使える | ※ | ブレイク直後の1打、1ラック1回(WPA9.4) |
| 3ファウル | ラックを失う | ※ | ラックを失う(WPA9.11) |
| 途中で勝ち球が入ったとき | 合法なら勝ち | ※ | 最後の1球以外は戻す(WPA9.9) |
※旧NBA列は、コール関連の条文(第10章第6条)以外は本記事で条文を照合していません。ナインボール列はWPAナインボール規定の一般的な内容で、条項番号は省いています。細部は大会の採用ルールで確認してください。
ローテーションやエイトボールとの違い
別の種目の卓に着くときは、「種目」と「適用している版」の2点を確認すれば、コールの要否で迷いにくくなります。
まとめ:最新ルールで迷わないために
よくある質問
テンボールで「セーフティ」とコールしてもいい?
ブレイクで10番が入ったら勝ち?
テンボールのプッシュアウトは何回使える?
3回連続でファウルするとどうなる?
初心者はナインボールとテンボール、どちらから始めるべき?
本記事は2026年10月時点で確認できたWPA(2025年6月27日施行版)とNBA(2025年9月版・2026年改訂版)の規定をもとにしています。大会では、その大会の要項とレフリーの判断が優先されます。




