まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
補足
メッツは運動の強さを表す単位です。座って休んでいるときの何倍のエネルギーを使うかを示します。
結論:ビリヤードの健康効果は何?まず知っておきたいこと
ビリヤードで期待できること
- 立った姿勢が長く続くので、座りっぱなしの時間を減らせる
- 台の周りを歩く。日本コーチングプロビリヤード協会(JCPB)は、2時間で約3,000歩相当という目安を示している
- 構えを安定させるために、体幹や下半身で体を支える
- 狙い・力加減・次の球の配置を考えるので、頭を使う
- 年齢や体格を問わず、会話しながら続けやすい
期待しすぎないほうがいいこと
- 体重60kgで1時間遊んだときの消費は約150kcalで、これは安静時の分も含む総量
- 厚労省のガイドが推奨量に数える「3メッツ以上」の活動には入らない
- ビリヤードだけで認知症を予防できるという根拠は、今回確認した資料にはない
まず何をすればいい?
- 通う日を週1〜2回決める
- お店までの往復を、できる範囲で歩く
- 30〜45分ごとに休憩とストレッチを入れる
ビリヤードの運動量はどれくらい?軽い活動になる理由

メッツ表で他の遊びと比べる
| 活動 | メッツ値(2024年版) | 60kg・1時間の消費kcal | ガイド2023の推奨量に数えるか | 主に使う体の部位 | 主な健康リスク(一般的な注意点) |
|---|---|---|---|---|---|
| ビリヤード | 2.5 | 約150kcal | 数えない(3メッツ未満) | 体幹・下半身の支え、腕・手先 | 前傾による腰や首の負担、球やキューが当たる |
| ダーツ | 2.5 | 約150kcal | 数えない(3メッツ未満) | 肩・腕・手先 | 同じ腕の動きのくり返し、長い立ちっぱなし |
| ボウリング(ボウリング場) | 3.8 | 約228kcal | 数える | 脚・腕・体幹 | 重い球による手首や腰の負担 |
| 卓球 | 4.0 | 約240kcal | 数える | 脚・腕・体幹 | 急な切り返しによる足首や膝の負担 |
| ゴルフ(歩行・クラブを運ぶ) | 4.3 | 約258kcal | 数える | 脚・体幹・肩 | スイングのひねりによる腰の負担 |
| ウォーキング(時速4.5〜5.5km) | 3.8 | 約228kcal | 数える | 脚・体幹 | 長い距離を歩いたときの足や膝の負担 |
補足
リスク欄は一般的な注意点です。ビリヤード以外の活動について、ケガの頻度をデータで比べたものではありません。
ビリヤードのカロリーは1時間約150kcal
- 体重50kg:約125kcal
- 体重60kg:約150kcal
- 体重70kg:約175kcal
- 体重80kg:約200kcal
注意
これは座って休んでいる分も含む総量です。安静時の1メッツ分を差し引くと、60kg・1時間で増える分は計算上約90kcalです。ダイエットが目的なら、食事の見直しやほかの運動と組み合わせてください。
2.5メッツどまりになる理由
- 撞く前は、狙いを定めるために体を止める
- 対戦では、相手の番が待ち時間になる
- 移動は台の周りを数歩ずつで、続けて歩くことは少ない
ビリヤードの歩数は2時間で何歩?形式別の見分け方
自分の数字を出す計算方法
- 消費カロリー(kcal)=2.5×体重(kg)×プレー時間(h)
- 歩数=1,500歩×プレー時間(h)※JCPBの「2時間で約3,000歩」を1時間あたりに直した値
- 1日あたりに増える歩数=1回の歩数×週の回数÷7
| 条件(体重60kg) | 1回の消費kcal | 1回の歩数の目安 | 1日あたりに増える歩数 | 成人の目安8,000歩に対する割合 | 高齢者の目安6,000歩に対する割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2時間・週1回 | 約300kcal | 約3,000歩 | 約430歩 | 約5% | 約7% |
| 2時間・週2回 | 約300kcal | 約3,000歩 | 約860歩 | 約11% | 約14% |
| 3時間・週1回 | 約450kcal | 約4,500歩 | 約640歩 | 約8% | 約11% |
注意
歩数は「1時間1,500歩」の割合で単純に計算した仮定の値です。実際の歩数は、お店の混み具合や遊び方で変わります。
ソロ練習・2人対戦・4人ローテの違い
| 形式 | 自分が撞く割合 | 動き方の特徴 | 歩数・立っている時間の傾向(目安) |
|---|---|---|---|
| ソロ練習 | ほぼすべて | 撞く→球を並べ直す→構える、をくり返す | 歩数は多め。前傾する回数も一番多い |
| 2人対戦 | 半分ほど | 相手の番は立って待つことが多い | JCPBの目安に近いと考えられる |
| 4人ローテ | 4分の1ほど | 待ち時間が長く、座りやすい | 歩数も立っている時間も少なめになりやすい |
補足
この傾向は実際に測ったものではありません。撞く順番のしくみから考えた目安です。
自分で確かめる方法
- お店に入る前に、その日の歩数を確認する
- お店を出るときにもう一度確認し、差を記録する
- 形式(ソロ・2人・4人)とプレー時間も一緒にメモする
健康効果を上げるビリヤードの通い方は?時間・頻度・費用
続けやすい通い方5ステップ
- 往復を歩く:最寄り駅から歩くだけで、歩数を上乗せできます。
- 最初の10分は軽く撞く:体が温まる前に強いショットを打たないようにします。
- 30〜45分ごとに休憩する:体を起こして、腰と首を伸ばします。
- 練習テーマを1つに絞る:「止め球を10回」「手球の真ん中を真っすぐ撞く」など、内容を決めておきます。
- 記録する:時間・歩数・腰の張りをメモします。
費用の目安:レジャー白書2025のデータ
| 通い方 | 年間の回数 | 年間費用の目安 |
|---|---|---|
| 参加者の平均 | 8.3回 | 24,800円 |
| 月2回 | 24回 | 約7.2万円 |
| 週1回 | 52回 | 約15.5万円 |
台を使うときのマナー
- 隣の台の人が構えているときは、その後ろを通らない
- 撞いている人の視界の中で動かない
- キューは立てて持ち、振り回さない
- 台の上に飲み物を置かない
ケース別の対処:初心者・伸び悩み・腰痛持ち・60歳以上
始めたばかりの初心者
- 利き手側の足を後ろに引き、キューの延長線上に置く
- 前の足の膝を軽く曲げる
- 背中を丸めず、股関節から前に倒れる
- あごをキューの真上に置く
- ブリッジ(キューを支える手)は、台にしっかり押しつける
伸び悩む初中級者
- 45分を目安に区切り、休憩をはさむ
- 終わりの15分は難しい球を避け、基本のショットに戻る
- スマホで構えを撮影し、最初と終わりの姿勢を比べる
ビリヤードで腰痛が出る人
- 狙いを立った姿勢で決めてから構える(構えてから考えない)
- 遠い球は、メカニカルブリッジ(キューを乗せる補助具)を使う
- 台に身を乗り出して、体をねじったまま撞かない
注意
痛みが続く場合や、脚のしびれがある場合は、プレーをやめて整形外科などの医療機関に相談してください。
60歳以上の人
腰と首を痛めない予防・再発防止のコツ
米国の救急データからわかること
- 原因:ボールやキューが当たる51.1%、転倒22.6%、無理な動作によるケガ20.2%
- 部位:頭・首36.6%、腕・手25.3%
- 経過:94.5%は治療後に帰宅、入院は3.2%(推計2,527件)
腰と首を痛めない構えと練習習慣チェックリスト
- [ ] プレー前に腰・股関節・首を伸ばす 効く理由:急な前傾で筋肉を傷めにくくなる
- [ ] 最初の10分は軽いショットにする 効く理由:体が温まる前の無理な力みを防ぐ
- [ ] 狙いは立った姿勢で決めてから構える 効く理由:前傾したまま止まる時間が短くなる
- [ ] 30〜45分ごとに休憩して体を起こす 効く理由:疲れで構えが崩れる前にリセットできる
- [ ] 背中を丸めず、股関節から前に倒れる 効く理由:腰と首にかかる負担を分散できる
- [ ] 遠い球はメカニカルブリッジを使う 効く理由:無理な動作によるケガ(20.2%)の場面を避けられる
- [ ] キューは立てて持ち、後ろを確認してから引く 効く理由:最も多い「当たる」ケガ(51.1%)を防ぐ
- [ ] 台の周りの床・段差・置かれた荷物を確認する 効く理由:転倒(22.6%)を減らせる
- [ ] ブレイクや強いショットを連続で打ちすぎない 効く理由:肩や腰への急な負担が重なるのを防ぐ
- [ ] 腰に張りが出たら、その日は早めに切り上げる 効く理由:軽い違和感のうちに休めば悪化を防ぎやすい
ビリヤードは認知症予防になる?専門家・公的情報の見解
厚生労働省:推奨量は3メッツ以上で数える
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(要旨):成人は3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上(1日約8,000歩以上相当)、高齢者は週15メッツ・時以上(1日約6,000歩以上相当)行うことを推奨。
国立健康・栄養研究所:ビリヤードは2.5メッツ
頭と交流の刺激について
注意
もの忘れなどの気になる症状がある場合は、趣味で補おうとせず、かかりつけ医や専門の医療機関に相談してください。
やってはいけないNG対応
| NG対応 | なぜよくないか | 代わりにやること |
|---|---|---|
| ビリヤードだけで運動したつもりになる | 2.5メッツで、ガイドの推奨量に数えない | 3メッツ以上の歩行などを別に行う |
| 構えてから長く考える | 前傾したまま止まる時間が延びる | 立った姿勢で狙いを決める |
| 休憩なしで3時間以上撞き続ける | 構えが崩れ、腰と精度の両方に響く | 30〜45分ごとに体を起こす |
| 遠い球に無理な体勢で手を伸ばす | 無理な動作によるケガにつながる | メカニカルブリッジを使う |
| キューを横に持って振り向く | 周りの人に当たるおそれがある | キューは立てて持つ |
| 腰の痛みやしびれを我慢する | 悪化させるおそれがある | 中止して医療機関に相談する |
注意
「たくさん撞けば上達する」とは限りません。疲れた状態での反復は、崩れたフォームを体に覚えさせることにもなります。




