まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
結論:マッセのやり方は3つの変数で決まる
3つの変数は役割がちがう
- 横撞点:回転の向きと量を決めます。中心から右を撞けば右へ、左を撞けば左へ曲がります(ちゃんねるCUE Billiard、2016年9月22日の記事)。
- キューの角度:どれくらい早く曲がり始めるかに効きます。
- スピード:強く撞くほど、遠くまで進んでから曲がります。弱すぎると、早く曲がって障害球に当たることがあります(Billiards Digest 2011年4月号、Dr. Dave記事)。
「立てるほど回転が増える」は誤解
補足
同じ解説では、立てすぎることの欠点も挙げられています。狙いを合わせにくい、手玉が跳ねやすい、フォロースルー(撞いたあとにキューを送り出す動き)が制限される、2度当たりのファウルが起きやすい、などです。
マッセとは?セミマッセ・カーブショットとの違い

| 種類 | キューの角度 | 曲がる位置の目安 | 主に使う変数 | 主なミス | 店で禁止されやすいか | 初中級者が実戦で使う価値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ひねり | ほぼ水平 | 遅れて少しだけ曲がる | 横撞点・スピード | 見越しのずれ | されにくい | ◎ |
| セミマッセ | 30〜45° | 中くらいの距離で曲がる | 横撞点・角度・スピード | 狙いずれ、撞き下ろしすぎ | お店による | ○ |
| マッセ | 垂直近く | 早く大きく曲がる | 角度・横撞点・スピード | 2度撞き、押し出し、ラシャ損傷 | されやすい | △ |
| ジャンプ | 立てて撞き下ろす | 曲げずに飛び越える | 角度・撞く強さ | 跳びすぎ、ラシャ損傷 | されやすい | △ |
※「曲がる位置の目安」は、Dr. Daveの「キューを立てると前に進む勢いが落ちて早く曲がる」という説明をもとにした比較です。「禁止されやすいか」「実戦で使う価値」は編集部の目安です。実際の曲がり方は、台やラシャの状態で変わります。
始める前の準備:お店の許可とキューの角度の測り方
お店がマッセを制限する理由
注意
同じブログには「ジャンプショットやマッセは専用キューを持っていなければやらない」とも書かれています。掲示がなくても、受付で可否と専用キューの扱いを聞いておきましょう。
道具の準備
補足
大会にはジャンプキューの規定もあります。JPBA 2018 全日本選手権のルール説明では、長さ101cm以上、タップの直径14mm以下で、使えるキューは最大3本でした。大会ごとに変わるので、出場するときは最新の要項を見てください。
キューの角度はBob Jewett法で測る
マッセの打ち方を4ステップで解説
Step1:角度30°で横撞点だけを変える
- キューの角度を30°に決める
- 横撞点を「小・中・大」の3段階で変える
- 曲がり始めた位置と、手玉が止まった位置を記録する
- [ ] 安全:お店の許可を確認してから撞く
- [ ] 安全:撞いたあと、キューをラシャの手前で止める
- [ ] ファウル:キューが手玉に2回当たっていないか
Step2:同じ撞点で角度を30°→45°に変える
- Step1でいちばん曲がった撞点を使う
- 角度を30°と45°で撞きくらべる(Bob Jewett法で測る)
- 45°のほうが手前で曲がるか確かめる
- [ ] 安全:お店の許可がある範囲の角度で行う
- [ ] ファウル:タップで手玉を押し出していないか
Step3:スピードを弱・中・強に変える
- 角度45°、撞点はStep2と同じにする
- 弱・中・強の3段階で撞く
- 曲がる位置の変化をノートにまとめる
- [ ] 安全:「強」でもキューをラシャに突き立てない
- [ ] 安全:破損時の修理代は店ごとに決まっていると意識しておく
Step4:許可のある台でBAR法を使う
- B:タップが当たる手玉上の点
- A:キューの延長線がラシャに届く点(ラシャ上の狙い点)
- R:撞く前の手玉がラシャに接している点
- 曲がり終えたあとに進ませたい向きを決める
- Rからその向きと平行な線を引き、キューの狙い線と交わる点をAにする
- Aに向く角度と撞点(B)を選んで撞き、ずれを記録する
- [ ] 安全:マッセが許可された台でだけ行う
- [ ] ファウル:2度撞き・押し出しになっていないか
つまずきやすいポイントと対処法
| 症状 | 考えられる原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| ほとんど曲がらない | 横撞点が中心に近い、強すぎる | 撞点を外側へずらす、スピードを落とす |
| 曲がりすぎる・早すぎる | 角度が立ちすぎている、弱すぎる | 角度を30°側に戻す、少し強めにする |
| 手玉が跳ねる | 立てすぎ、撞き下ろしが強い | 角度を下げ、ラシャ手前でキューを止める |
| 狙った方向に出ない | 立てすぎで狙いがずれている | 角度を下げ、BAR法で狙いを決める |
| 2度撞きを指摘された | 手玉が近くにあるうちに強く押した | ストロークを短く、軽くする |
マッセとジャンプ、どちらを選ぶ?使う場面の判断フロー
- ふつうのひねりと見越しで当たる? → Yesならひねり
- ファウルの危険:低い
- 障害球まで、曲げるための距離がある?(目安は手玉3個分以上) → Yesならセミマッセ
- ファウルの危険:強く撞くとWPAルール3.8(押し出し)に注意
- 障害球が手玉にほぼくっついていて、曲げる余地がない? → Yesならジャンプを検討(お店とルールで許されている場合だけ)
- ファウルの危険:3.7(2度撞き)とラシャ損傷に注意
- お店でマッセもジャンプも禁止? → Yesならセーフティに切り替える
- ファウルの危険:低い
注意点・リスク:ダブルヒットとプッシュショットに気をつける
WPAルールで反則になる2つの動き
- ルール3.7(ダブルヒット):キューが手玉に2回以上当たること。手玉が的球に近く(接してはいない)、タップがまだ手玉に触れているうちに手玉が的球に当たった場合もファウルです。
- ルール3.8(プッシュショット):タップと手玉の接触を、ふつうのショットより長く続けること。
マナーとしても気をつけたいこと
- 隣の台に人がいるときは、強いショットを控える
- もしラシャを傷つけてしまったら、すぐお店に伝える
注意
お店の許可がない台では、本格的なマッセは撞かないようにしましょう。
具体例・ケーススタディ
| ケース | 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|---|
| A | 障害球まで手玉4個分、的球は障害球の少し奥 | セミマッセ(30〜45°) | 曲げる距離があり、角度を立てすぎずに済む |
| B | 障害球が手玉にほぼくっついている | ジャンプを検討、許可がなければセーフティ | 曲げる余地がなく、2度撞きの危険が高い |
| C | ケースAと同じ配置だが、お店がマッセ・ジャンプ禁止 | セーフティ | 禁止のお店では、ルールとラシャを優先する |




